Webサイト制作では、デザイン・導線・スピードと同じくらい重要なのが「HTMLタグの正しい使い方」です。
Google検索はサイトの構造を「HTMLタグの意味」を手がかりに理解しています。
つまり、タグを正しく書くことそのものがSEO施策になります。
SEOの基礎:HTMLタグは「検索エンジンへのメッセージ」
GoogleはHTMLタグから以下を読み取っています。
- ページの主題(h1)
- 各セクションの要点(h2〜h4)
- 強調したいキーワード(strong)
- ページの関係性(a要素、パンくず)
- 画像の内容(img alt)
- ページのメタ情報(title / meta description)
- 文章の意味(article / section / nav などのセマンティックタグ)
つまり、「タグの使い方=SEOの土台」 です。
h1〜h6タグの正しい使い方(SEOの中でも最重要)
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1. h1はページの主題を示すタグ(1ページに1つ)
- ページの最重要キーワードを入れる
- h1 は必ず1つ(見出しデザインはCSSで調整)
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2. h2〜h4は「目次構造」を作るタグ
Googleは「文書構造」を理解するためにhタグを読むため、次のような階層が理想です:
h1(ページ全体の主題)
├ h2(大テーマ)
│ ├ h3(詳細テーマ)
│ └ h3
└ h2よくあるNG例
- h1をロゴに使う
- h2の後にいきなりh4を使う
- 見た目のサイズ調整のためにhタグを乱用する
SEOでは意味的構造が大切。見た目はCSSで。
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3. strong・em の正しい使い方
strong
検索エンジンに「ここが重要」と伝える強調タグ。
文章中のキーワード強調に有効。em
語句の「ニュアンス的強調」
SEO効果はほぼなし。NG
- strongを多用しすぎるとスパム扱い
- 太字目的で strong を使う(CSSでやるべき)
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4. 画像タグ(img alt)のSEO効果
alt 属性は必須
Googleは画像の内容を alt で判断します。
重要ポイント:- 画像の内容を正確に書く
- キーワードは自然に
- 装飾画像は alt=””(空にしてOK)
画像検索SEOにも影響します。
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5. title と meta description の作り方
title(最重要)
- 32文字前後
- 主要キーワードを入れる
- ページ固有であること
meta description
検索結果のタイトル下に掲載される説明文欄。SEO効果は無いがCTR(クリック率)改善に直結。
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6. セマンティックタグ(HTML5タグ)で文書構造を伝える
Googleは次のようなタグを理解しています:
タグ 意味・役割 使うべき場面(実務例) SEO観点のポイント <header> ページまたはセクションの冒頭部分 ・全ページ共通のヘッダー(ロゴ・ナビ)
・記事の冒頭(タイトル・概要)・文書構造を整理する役割
・ロゴ画像に h1 を入れないよう注意<main> ページの主要コンテンツ領域 ・ブログ記事本文
・サービス紹介ページの本文・1ページに1つだけ使用
・サイドバーなどは含めない<footer> ページやセクションの締め部分 ・コピーライト
・関連記事リンク
・共通フッターナビ・ページ全体の締めにも、
セクション内の締めにも使用できる<nav> 主要ナビゲーション ・グローバルナビ
・パンくずリスト
・ページ内目次・リンクの「まとまり」に使用
・単体リンクを nav で囲まないこと<article> 独立して成立するコンテンツ ・ブログ記事
・ニュース投稿
・レビュー1件分・単体で完結する情報のまとまりに使う
・複数の article が並んでもOK<section> 意味のあるコンテンツの区切り ・h2 で分けるコンテンツブロック
・サービスの特徴セクション・見出し(hタグ)とセットで使うのが基本 <aside> 本文とは独立した補助コンテンツ ・サイドバー
・関連記事
・補足コラム・本文(main)の外に置くと構造が明確になる <figure>
<figcaption>画像・図表とその説明文 ・図表の説明
・画像ギャラリー
・コードスニペットのキャプション・画像の意味が明確になりSEO的にプラス
・alt と figcaption の相乗効果が高い -
7. 内部リンクを最適化する(SEOの即効性が高い)
アンカーテキストにキーワードを入れる
リンク文字列に使いがちな「こちら」「詳しく」よりも、リンク先の内容を表すキーワード文字列が理想。「こちら」「詳しく」ではGoogleは意味を読み取れない。
パンくずリストは必須
WordPressなら Yoast / RankMath / Breadcrumb NavXT などで自動生成できます。
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8. 構造化データ(Schema.org)は大きなSEO加点
主に以下を利用:
- Article(コラム)
- BreadcrumbList(パンくず)
- FAQPage(FAQ)
- Organization(企業情報)
- WebSite(サイト情報)
ColumnSchema.orgとは? -
9. モバイルSEO:この2つは必須
viewportの設定
ウェブページが表示されるブラウザの可視領域設定
Core Web Vitals の改善
- CLS(ズレ)
- LCP(表示速度)
- FID(操作性)
特に画像の width / height 指定が重要。
まとめ:正しいタグ構造は『SEOの土台』
文章よりも先に「正しいHTMLタグ設計」ができているかがSEOの出発点です。
SMILEWORKSでは、単に見た目を整えるだけではなく、HTMLタグの意味に沿ったマークアップを重視しています。
- hタグの正しい階層構造
- セマンティックタグによる文書設計
- alt 属性の最適化
- JSON-LDによる構造化データ
- アクセシビリティとSEOを両立したコーディング
- コアウェブバイタルを意識した画像・レイアウト設計
これらを制作の標準として運用し、「Googleに正しく評価されるコード」と「利用者にとって読みやすくアクセスしやすいサイト」の両立を常に意識しています。
地味に見える部分こそ、長期的なSEOと品質に直結します。
こうした技術的な基礎を丁寧に積み上げることで、検索に強く、安心して運用できるWebサイトづくりを心がけています。
